平成28年度を振り返って (機関誌169号より転載)
特定非営利活動法人大阪府中途失聴・難聴者協会 理事長 上野哲人
寒さも薄らぎ、新しい年度が間もなく始まります。いつ来るかはっきりしませんが、南海トラフ地震もやがて来そうです。
言葉を喋れるが聴き取れない私たちの運動とは、何なのでしょうか。ふた昔前、阪神淡路大震災の支援に向かった時に、コミの取れない同じ障害の方を探すのに、手も足も出なかったことを思い出します。
理事長をお任せいただきながら、社会参加の壁を前にして、乗り越える困難さに戸惑い、さりとて回り道も探し出せないのは辛いものがあります。社会参加に必要な音声情報の入手と伝達障がいを持つ私たち中途失聴者・難聴者の命題と課題は、とてつもなく大きいものがあります。数は力なりともいわれます。
私たちの大阪府中途失聴・難聴者協会は、府下の障害者手帳を持つ中途失聴・難聴者と賛同者で構成します。聞き取りにくい人に住みよい社会を作ることが狙いです。そのためには仲間づくりの輪を広げることがとても重要です。そして、この機関誌の充実とホームページの活用に力を入れたいと思います。協会の活動を一人でも多くの方に知っていただけるよう、来年度も皆様と手を携えて、活動を続けていきたいと思います。
大阪府委託の要約筆記者養成・派遣事業にも協会を挙げて取り組みます。要約筆記者養成講座84時間は初めての試みになりますが、6月~12月に実施します。来年2月には、第13回大阪府中途失聴・難聴者福祉大会を開催します。一人でも多くの会員、賛助会員の皆様のご支援を切にお願いする次第です。