活動
目的
- 中途失聴・難聴者のコミュニケーション手段の普及とその促進を目指します。
- 難聴者等の福祉と社会参加促進、難聴者等に対する啓発、難聴者等の生活、文化、教養の向上、及び会員相互の親睦。
活動概況
- 大阪府要約筆記者の養成と派遣事業(大阪府委託事業)を実施、要約筆記の普及活動の実施。
- 例会、女性部の集いの開催、年間6回の機関誌発行、行政機関との交渉、(一社)全難聴に加盟、関係団体との交流、耳マーク関連グッズの普及活動等を行っています。
難聴者の活動に思う 理事長から (機関誌おおさか府難聴166号より転載)
私達の協会ができたのは、昭和58年2月で33年前になります。設立当時は聴覚障害者=ろうあ者で手話を使う人たちであり、中途失聴・難聴者の存在は社会一般に知られていませんでした。要約筆記は全国的にみても始まったばかりで、まだ市町村には定着していませんでした。大阪府の要約筆記奉仕員派遣制度も始まったばかりで、10名ほどの要約筆記奉仕員が私達のために情報保障に当たってくれていました。
今でも社会一般には、聴覚障害者にろうあ者と中途失聴・難聴者がいることが知られていませんし、ろうあ者よりも中途失聴・難聴者の方が圧倒的に多いことが知られていません。
私達には日本語を話すのは当たり前のことですが、「聞こえにくいので書いていただけませんか」と頼んでも、まず書いてくれる人はいません。京都などの先進府県で約40年前から始まった難聴者運動ですが、今でこそ各府県、政令市に難聴者協会があり、要約筆記も定着してきました。しかし、公的要約筆記派遣は、日中の急な依頼に対する派遣や、夜間の要約筆記の派遣はありません。府下のいくつかの市町村では、社協や要約筆記サークルに依頼し、緊急時の要約筆記者の派遣体制があり、事後報告で派遣可能としているところもあるそうです。市町村毎に緊急派遣依頼への対応が異なります。
30年前の協会設立当時のスローガンとして、
・輪と団結で聞こえの障害を克服しよう。
・同障の人に手をさしのべ、輪を拡げよう。
・要約筆記者の公費養成・派遣を求めよう。
・テレビに字幕を入れるよう求めよう。
・補聴器の公費支給を求めよう。
等がありました。
時代は移り、文字情報がスマホやパソコンから容易に得られる世の中になりましたが、難聴者や中途失聴者にとって住みよい世の中になったわけではありません。中途失聴・難聴者は合理的配慮のある社会にいるとは言えません。私達が働きかけないことには、情報障害を行政や社会には知ってもらえませんので、会員1人1人の働きかけが課題になります。
高齢者の3分の1は聞こえにくくなっているという現実にもかかわらず、年を取れば聞こえにくくなるのは仕方がないと思う人がほとんどです。また、人生途上で聞こえにくくなっても、それぞれの立場で世間に知られたくない事情があるようです。高度難聴者にならない限り障がい者に認定されませんが、軽中度難聴者の苦しみは私達と同じです。全国で1,000万人ほどの人が、大阪府では50万人ほどの人が社会参加に困っていると思えます。
全難聴では障がい者認定基準の引き下げ(デシベルダウン運動)を厚労省に求めてきましたが、福祉の財源問題もあるようで、軽中度難聴者の障害は、認められそうにありません。
11月に奈良で開かれる第22回全国中途失聴者・難聴者福祉大会の分科会の一つに、軽中度難聴者問題を取り上げることになっています。参加して悩みと苦しみを聞いてください。
大阪府の市町村要約筆記奉仕員の者へのステップアップ研修が今年で終わりました。来年から1年間の要約筆記者養成講座が始まります。正会員と賛助会員(要約筆記者)の芙蓉の会も軌道に乗りました。統一試験対策勉強会も始まります。協会として、難聴者運動の有機的な活動を展開したいと思います。
協会のあゆみ
- 1983年(昭和58年)
2月27日 - 大阪府下の中途失聴・難聴者が集い、親睦と福祉の増進を目的に大阪難聴者連絡協議会が設立されました。
(前身は松原市を中心とした南大阪難聴者友の会)
「聞こえの保障」を求めて、その時のスローガンには「聞こえの障害の克服」・「同障者の親睦」・「要約筆記者の公費養成と派遣」・「磁気誘導ループとOHPの設置」・「テレビの字幕付与」・「補聴器の公費支給」などがうたわれています。
- 1984年(昭和59年)
- 大阪府難聴者連絡協議会から大阪府難聴協会に改称
- 1989年(平成元年)
- 大阪府難聴協会から大阪市内居住者を分離して大阪市難聴協会を設立
- 1993年(平成6年)
- 大阪府難聴協会から大阪府中途失聴・難聴者協会に改称
- 2007年(平成19年)
- NPO認可を受ける
特定非営利活動法人大阪府中途失聴・難聴者協会に改称
- 2014年(平成26年)
- 協会事務所を八尾市から大阪市天王寺区生玉前町の大阪府障がい者社会参加促進センター内に移設
- 2019年(令和元年)
- 協会本店を箕面市に移設。
支店事務所は大阪府障がい者社会参加促進センターで継続。
- 2020年(令和2年)
6月 - 大阪府立福祉情報コミュニケーションセンター開設に伴い、センター内に要約筆記事務所を開設。
旧支店事務所は閉鎖。